ハンドメイドによる描画、クラフト制作です。
生体の表情はデジタルだけでは表現できないことがたくさんあります。筋肉や組織の伸び・たわみ、わずかな違いが異常の検出につながります。少数制作に向いており、病変位置や形状などの仕様変更に柔軟に対応できます。
生きている人の臓器の再現のために
解剖学に出てくる一般的な臓器はもちろん、様々な特性に合わせたモデルを作ることが出来ます。3Dデータが無ければ、上図のように手作りで彫刻し、型を作ったり、3Dスキャンをしてデータを作ります。
光学医療機器を用いて鮮明な画像を体感できる臓器モデル
(画像は試作品です)
和紙ちぎり絵の技法にて制作しています。血管走行を描画し、発赤や悪性病変を特殊な顔料を用いて着色しています。
臓器によっては内腔(臓器内側の空間)の表情が舌の裏側のように血管や筋肉などでボコボコしているものもあります。予算や時間をかけず、手軽に再現性の高いモデルを提案することも重要と考えています。
血管走行の描画例
様々な資料を基に、特定臓器の血管の太さや長さなどのサイズ感、見た目を確認しながら、血液とほぼ同じ色調のインクで描画していきます。当社では血管描画や疑似悪性病変表現をシリコンに封入し、さまざまな粘膜表現を作り出す事が出来ます。特殊光観察における表層・深層血管表現にも対応しています。
臓器モデル内への血管走行の描画
多くの臓器では粘膜の表層に血管が見えています。表層だけではなく少し奥の方にも血管が通っています。手術の際に血管を傷つけると出血してしまいます。内視鏡の特殊光を利用することで深層の血管を見分けることが出来ます。
シリコンに描画することは非常に難しく、とても時間が掛かります。血液と同じ色味と光学的波長をもつ特殊なインクを開発し、改良したタヌキの極細毛筆とナイロン毛筆で丁寧に描画し、シリコン封入し、臓器表層の再現をしています。
Image Analysis 画像解析
医療画像から臓器や器官の実際の大きさを計測したり、形状データを作ります。データは3Dデータとして取り出すことができます。3Dプリンターで出力したり、3Dソフトで様々なシミュレーションを行います。機械的に自動で解析出来る事もありますが、小さい器官や細い血管など画像上きれいに投影されていない箇所は丁寧に手作業で補正しながら作っていきます。医療画像解析の分野はAIを用いて、より詳しい情報が取り出せるようになってきています。医療画像解析は丁寧な手作業で完成します。
特にCTやMRIは患者さんが仰臥位(横になった状態)で撮影されています。一般的に臓器は体位を変えると移動し形状が変わります。手術用のシミュレーターを作る時は体位も考慮しながら作ります。